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9/2 ドングリが実った枝

クヌギ  椚・櫟・橡
[ブナ科コナラ属:落葉高木]
Quercus acutissima

雑木林の代表的な木の一つ。まあるいドングリの木。
シイタケを育てる ゆりかご(ほだぎ)にも 使われます。

ドングリが実れば まちがえようがないのですが、私には、コナラと見分けがつかなかったので、
比較しながら まとめてみました。

でも、本当のそっくりさんは、カシワやアベマキのほうなんですが・・・。(苦笑)

4/22 クヌギとコナラの芽吹き(左がクヌギ)
春、雑木林でひときわ目立つ 銀色の新芽の木は コナラです。そして、後ろの黄色っぽいのがクヌギです。



4/9 芽01 4/9 芽02
コナラとの一番のちがいは、葉の芽と花の芽が同時に出るって言う事じゃないでしょうか。
4/11 芽03 4/11 芽04
葉といっしょに顔を出しているツブツブしたもの、これが おばなになって、枝先にたくさんたれ下がります。

若葉もおばなも黄色っぽいので、芽を出したばかりのクヌギの木は、黄色っぽく煙って見えます。
4/29 新緑の枝



下のスキャン画像は、春先に出た若い枝のようすです。葉、一枚だけ ちぎって裏返しに置いておきました。
若葉のスキャン画像
葉は全体的には細長い(長楕円状披針形)、
木によっては、けっこう幅広い物もあって、コナラと区別をつけにくいこともあります。

ふちのギザギザ(鋸歯)は、コナラほど大きくはない。でも、クヌギのギザギザ(鋸歯)の先は、
トゲに見えるほど とがっている。
鋸歯のようす
この葉のようすは、クリの木の葉とも似ているそうですが、クリの葉のとげとげには、緑色がしっかり付いているんですって。

真夏、クヌギの葉は、もっと緑色がこくなり、8〜15cmと大きく、丈夫(皮質)になります。



4/18 枝先のおばな 4/18 おばなのアップ
お花は黄色っぽくて、長く(7〜8cm)たれ下がり、目をひきます。左が枝先の様子、右がおばなのアップです。


それから、秋にドングリになる めばなも、図鑑に書いてあることを頼りに探しました。

コナラのめばなは、枝先につきますが、クヌギのめばなは、葉のつけねにあります。
これが、あの、大きな まあるいドングリになるんだなんて・・・・信じられないくらい小さいです。
4/29 めばなのアップ
でも、この小さな花でも、2年もたてば、う〜んと大きくなるんですよね。
(コナラは1年ですが、クヌギは、2年かけて実るドングリです。)



7/23 若い実
8月の終わりのドングリ赤ちゃん<、2年目です。

2/20 一年目どんぐり
こちらが一年目どんぐりちゃん。
冬の枯れ(たように見える)枝で見つけました。
4月に咲いて受粉しても、一年 ずっとこんな姿で過ごします。
2度目の春を見送った後、急に大きく育ちます。



殻斗(かくと)とよばれる、はかまの部分が 鳥の巣みたいになるのが、クヌギのドングリの特徴です。
同じような はかまのドングリになるのが、先にでてきたカシワやアベマキです。
ただ、私の住んでいる地域では、あまり見かけないんですよね。



樹皮 7/18 クヌギの樹液に集まるチョウ
幹の様子は灰色で、縦に深いひびがたくさん入ります。

このあたりはコナラともよく似ているので、
雑木林で、縦にいっぱいひびの入った木を見つけたら、とりあえず、
ドングリの木だと思ってイイみたいです。
(あとは 近くに行って確かめてくださいね。)

クヌギの幹は、コナラより ひびが深くて、奥からオレンジ色がのぞいていることが 多いです。

傷口からしみ出す樹液に、虫が良く集まってくると言うことでも有名ですよね。
枝先にも、虫こぶが いっぱい付いていたりします。
虫にとっては、とってもありがたい木 なんでしょうね。



秋には黄色っぽくなります。くぬぎもみじ ともいうそうです。
赤く見えるのは、ナツヅタです。一目で2本分の紅葉!と私は喜んで写真に撮ったのですが、
クヌギの身になれば、ぐるぐる巻き付かれて、迷惑なんでしょうね。
11/20 黄葉のようす(赤い葉はナツヅタ)
若い木の中には、葉を落としきらない物も数多く見られます。
冬の林の中に、茶色の葉を いつまでもつけたままの木があったら、それはクヌギかもしれません。



武蔵野の雑木林も、年々へってきています。
クヌギは、カブト虫やクワガタ虫が大好きな 子どもたちにとっても大切な木。
元気で大きなクヌギの木、いつまでも見られるといいのですが。
11/20 雑木林のクヌギ
雑木林の主みたいな大きなクヌギの木。

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