雑木林の代表的な木の一つ。とんがったドングリの木。
「小ナラ」があるなら 「大ナラ」は無いのか?と 思うじゃないですか。
ミズナラという もう少し葉の大きい ナラの木を 地方によっては大楢(なら)と呼ぶらしいですね。
でもミズナラは もう少し北で よく見られる木。私の住んでいる地域では、コナラばかりです。
春、雑木林でひときわ目立つ 銀色の新芽の木がコナラです。
とってもきれいだったので、連日通い詰めて、写真を撮りまくってしまいました。
新芽は、閉じかけた傘のような形になり、一面に銀色のうぶ毛が生えています。
木によっては、赤みがさす葉もあります。きれいでしょう?
この、独特な葉の開き方は、葉の付き方のせいだったんですね。
下のスキャン映像は、春に芽生えた ひと枝分です。上が表、下が裏です。
基本的には、たがいちがいに付く(互生) コナラの葉っぱですが、枝先だけ まとまって生えてますでしょう?
詳しく見ると、ちゃんと たがいちがいな付き方は 守っているのですが、
ほとんど 同じところから ぐるっと 円を書くように 葉っぱが付いているんですよね。
こういう葉の付き方のせいで、傘のように見えたわけです。
下は、葉の裏のうぶ毛のようすです。けっこう毛深いのね。
葉は全体的には細長いけれど、先の方が少し広くて、卵を逆さまにしたような形(倒卵形)、
木によっては、かなり細長くて クヌギと区別をつけにくいこともあります。
ふちのギザギザ(鋸歯)は とがっていて大きい。でも、クヌギのようにトゲに見えるほどではない。
春4月、新芽が開いてから、花を咲かせます。
ここが同じドングリの木でも、クヌギと違うところです。
図鑑には、そうはっきりとは書いてないのですが、少なくとも、私が見た木はみんなそうでした。
おばなは 長く(6〜9cm)たれ下がり、目をひきます。左が枝先の様子、右がおばなのアップです。
じゃあ、秋にドングリになる めばなはドコ?
図鑑に書いてあることを頼りに探しましたよ。
下の写真は、枝を上から見たところです。さあ、どれだかわかりますか?
そう、めばなは枝先に付くんですね。なんだかドングリが実ったら 折れちゃいそうな か弱い枝先ですが、
夏の盛りにはすっかり成長して、
こんな風になるんですね。
8月の終わりのドングリ赤ちゃん。これから細長くなるところです。
殻斗(かくと)とよばれる、はかまの部分が うろこ模様になるのが、ナラの木のドングリの特徴です。
幹の様子は灰色で、たてに深いひびがたくさん入ります。
コナラの方がひびが浅いのですが、このあたりはクヌギともよく似ているので、
雑木林で、縦にいっぱいひびの入った木を見つけたら、とりあえず、
ドングリの木かもしれないと 思ってもイイみたい。
(あとは 近くに行って確かめてくださいね。)
ものすごく 大きな木にもなるのですが、枝先はとても細くて繊細です。
秋には紅葉します。紅葉やイチョウのようではないけれど、
しみじみと秋だなあという色に染まります。
武蔵野の雑木林も、年々 へってきています。
長い間、ひとと自然が共に生きてきた場所なんですけどね。
いつも、長く残ってくれるといいなぁと思いながら見守っています。
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