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3/25 満開の桜の木

ソメイヨシノ 染井吉野 [バラ科サクラ属:落葉高木]
Prunus×yedoensis cv. Yedoensis

いわずとしれた桜、ソメイヨシノです。
江戸の末期に オオシマザクラとエドヒガンから作られ、その後 日本中に 数多く植えられました。

今年のお花見、楽しかったですか? お花見の習慣は ソメイヨシノより古く、江戸の中頃から だそうです。
それまではヤマザクラを見ながら 宴会をしていたのかもしれませんね。

ちなみに、桜もちの葉は オオシマザクラ、桜湯にする塩漬けの花は カンザン、
お茶筒などの工芸品に使われるのはヤマザクラの皮、食べるサクランボはミザクラの実。
ソメイヨシノはお花見専用・・・みたいです。

みんなまとめて「桜」と呼んでしまいますが、人々はそれぞれに ふさわしい品種を選んで利用してきたんですね。



4/1 つぼみ 3/25 咲き始め

日本に古来からあったヤマザクラは 葉と花が一緒につきますが、ソメイヨシノは花が咲いているときに葉は出ません。

いっせいに咲きそろい、いっせいにちる。その姿の見事さが、長く日本の人々に愛されてきた 木ですね。
でも、いっせいに咲いて、いっせいにちるのも道理。
日本中のソメイヨシノは、一つの木からふやされた兄弟の株。
親が同じなので、性質が似ているんです。
4/4 花のアップ 4/6 満開のこずえ



花がちると、若葉が顔を出します。「葉桜」ともいいます。
新緑



若葉のスキャン画像(左 表、右 裏)

ソメイヨシノの葉は、まるっこくて(広卵状楕円形) 葉の先は急にとがる形。
 葉の周囲のギザギザは、ヤマザクラなどよりは もっと複雑な形(重鋸歯)です。
写真の葉は、まだ若葉ですが、真夏になると もう少し 厚くて しっかりした 葉になります。
重鋸歯

葉の付け根には、みつを出す 豆粒のような出っ張り(蜜腺)が付いている事が よくあります。
蜜腺
ここから みつを出してアリを呼び、葉を毛虫などから守ってもらうのだそうです。



樹皮
古木の幹は、黒くゴツゴツしていて溶岩のようですが、
若い枝はつややかで、横向きのひっかき傷のような皮目が所々にあって、見間違いようのない姿ですね。



5/20 実
若葉がすくすく育つかげでは、小さなサクランボが実ります。
ソメイヨシノの実は しぶくて、鳥にしか食べられません。

実は、緑から黄色、赤へと変化して、最後には黒かと思うほど濃い色に熟します。
種を見ると小さいながらも、まさにあのサクランボの種なんですよね。当たり前だけれど、なんだか感心してしまいます。



11/19 紅葉のようす 11/19 秋の枝先
秋には美しく紅葉します。その姿を「桜もみじ」とも いうそうです。
葉をすっかり落として、冬支度。さて、来年のお花見は、誰をさそいましょうか。


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