いわずとしれた桜、ソメイヨシノです。
江戸の末期に オオシマザクラとエドヒガンから作られ、その後 日本中に 数多く植えられました。
今年のお花見、楽しかったですか? お花見の習慣は ソメイヨシノより古く、江戸の中頃から だそうです。
それまではヤマザクラを見ながら 宴会をしていたのかもしれませんね。
ちなみに、桜もちの葉は オオシマザクラ、桜湯にする塩漬けの花は カンザン、
お茶筒などの工芸品に使われるのはヤマザクラの皮、食べるサクランボはミザクラの実。
ソメイヨシノはお花見専用・・・みたいです。
みんなまとめて「桜」と呼んでしまいますが、人々はそれぞれに ふさわしい品種を選んで利用してきたんですね。
日本に古来からあったヤマザクラは 葉と花が一緒につきますが、ソメイヨシノは花が咲いているときに葉は出ません。
いっせいに咲きそろい、いっせいにちる。その姿の見事さが、長く日本の人々に愛されてきた 木ですね。
でも、いっせいに咲いて、いっせいにちるのも道理。
日本中のソメイヨシノは、一つの木からふやされた兄弟の株。
親が同じなので、性質が似ているんです。
花がちると、若葉が顔を出します。「葉桜」ともいいます。
ソメイヨシノの葉は、まるっこくて(広卵状楕円形) 葉の先は急にとがる形。
葉の周囲のギザギザは、ヤマザクラなどよりは もっと複雑な形(重鋸歯)です。
写真の葉は、まだ若葉ですが、真夏になると もう少し 厚くて しっかりした 葉になります。
葉の付け根には、みつを出す 豆粒のような出っ張り(蜜腺)が付いている事が よくあります。
ここから みつを出してアリを呼び、葉を毛虫などから守ってもらうのだそうです。
古木の幹は、黒くゴツゴツしていて溶岩のようですが、
若い枝はつややかで、横向きのひっかき傷のような皮目が所々にあって、見間違いようのない姿ですね。
若葉がすくすく育つかげでは、小さなサクランボが実ります。
ソメイヨシノの実は しぶくて、鳥にしか食べられません。
実は、緑から黄色、赤へと変化して、最後には黒かと思うほど濃い色に熟します。
種を見ると小さいながらも、まさにあのサクランボの種なんですよね。当たり前だけれど、なんだか感心してしまいます。
秋には美しく紅葉します。その姿を「桜もみじ」とも いうそうです。
葉をすっかり落として、冬支度。さて、来年のお花見は、誰をさそいましょうか。
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